当院で行う歯周病治療としては、患者さまの口腔内が、バイオフィルムが付着しやすい環境であれば、それを改善していくのが私たちの仕事です。その手順としては、まずプラークリテンションファクター(プラーク=歯垢が蓄積される要因)があれば、一つひとつそれをつぶしていきます。歯石は除去し、治していないむし歯は治療し、さらに段差を生じさせているような(=合っていない)銀歯などの被せ物は修復します。
こうした対策の中でも最も重要なのが、歯垢の除去。この点においても、当院では優秀な超音波スケーラー(キャビトロン)を採用しています。これは歯石の除去率がよく、温水が出るなどの使い勝手も優れている点で、当院の歯周病治療やメンテナンスに欠かせない機器となっています。私は、このスケーラーの公式インストラクターを務めていますので、扱いも慣れています。
丁寧な歯みがき指導、そしてこのスケーラーによる歯石除去で、実は当院の患者さまの8割が歯周病の進行を止めること=初期治療に成功しています。2割の患者さまは、残念ながら歯根にトラブルがあるなどで、次のステップである歯周外科の手術を行ったり、投薬したりすることになります。進行の度合いはさまざまでも、悪化という進行を食い止めたことが確認できたら、その状態を維持するためにもメンテナンスを続行します。
通常、歯周病の治療も保険診療でも行うことは可能ですが、初期治療に4~6カ月かかるという、要する時間の問題が大きく、その点で躊躇される患者さまもいらっしゃいます。一方、歯周病にも自費診療ですが、ワンデイトリートメントのシステムがあり、こちらはわずか通院3回ほどで完了します。その後のメンテナンスも、“自費で”という制約がありますが、治療期間はかなり節約できます。
患者さまの歯みがき習慣によるプラークコントロール+歯科医師の治療のコラボレーション。やっかいな歯周病も、この二人三脚によって、私たちとともに快方へ向かって歩んで行きましょう。